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倭人異聞録〜あさき、ゆめみし〜
季節が廻り、無事に高校三年生になったフリーランスの退魔師【伊織沙耶(いおりさや)】。大型連休を目前に控え世間が浮かれる中、相変わらずの財政難に頭を悩ませていた。そんな折、再び情報屋から『割のいい仕事』の話が舞い込み、相棒の妖(あやかし)【祇王(ぎおう)】と共に依頼人がいる耶多村(やたむら)へと向う。やがて、村に到着した二人は、途中で出会った依頼人の孫である大学生【三輪健(みわたける)】のボディーガードと、最近結界が綻び始めている村の古い五つの祠をお祓いすることが今回の主な仕事であることを知り安堵する。それも束の間、数日後沙耶の前に現れたのは…紫紋から重要な物を盗み出した妖【瑠狼(るろう)】。それを追う血の繋がらない従兄妹の退魔師【愁一郎(しゅういちろう)】とその相棒の妖【虚空(こくう)】。沙耶を探しに来た退魔師の後輩【高虎(たかとら)】。そして、何故か健と沙耶に激しい敵意を見せる不思議な雰囲気の少年【クイラ】。その頃、沙耶がお祓いを任された古い五つの祠では、更なる異変が起ころうとしていた。微かに感じる血の匂い、うごめきだす物の怪の気配、それは…静かに忍び寄る波瀾の予感。